ナメクジの害は気持ち悪いだけでなく、カタツムリのように寄生虫とか人に害をおよぼす菌を持っているのではないかと心配になったことはないでしょうか。ナメクジをうっかり触ってしまった跡など特に気になりますよね。
じつはナメクジ自体に害はないのです。ですが場合によっては危険度強のナメクジになってしまいます。
この記事ではナメクジは人へ害を与えるのか、それはどんな影響なのか、また危険なナメクジについてお伝えします。それからナメクジの生態や駆除方法も教えていきますね。
ナメクジは人に害がある?
日本に生息するナメクジには今現在では毒性をもつものや、病原性細菌、感染症になるようなウィルスは発見されていません。ですが危険な寄生虫の宿主になる場合があります。
その寄生虫とは広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)です。
この広東住血線虫はまずネズミに寄生します。そこで成虫になり産卵しますがその幼虫がネズミの糞の中に混じって、その糞をナメクジが食べることでナメクジに寄生してしまいます。
もし人が広東住血線虫に寄生されたら、その幼虫は成虫にはなる前に死んでしまいますが、死滅するまでに幼虫が脊髄や脳の血管や髄液の中に寄生して広東住血線虫症になることもあります。だいたいは自然治癒によって症状が2~4週間でなくなります。
ですが、中には危険な症状を起こすこともあります。最も怖いのは好酸球性髄膜脳炎です。症状は激しい頭痛、嘔吐、首の硬直、脳神経麻痺などがあります。
寄生虫が多い場合死亡するケースもあります。治っても後遺症としててんかん、失明、知能の遅れなどが残ります。
以前オーストラリアで友人たちにけしかけられ、ナメクジを食べた青年が髄膜炎になり、1年間の昏睡の後、意識はもどりましたが首から下の麻痺が残りました。
また、2000年に沖縄で7歳の少女が広東住血線虫症で亡くなっています。
ナメクジには害はなくても寄生されたら、危険な害虫となりますね。この広東住血線虫はカタツムリにも寄生していることがわかっているので、あわせて気をつけましょう。
広東住血線虫症の予防
広東住血線虫症の予防としては、ナメクジを触らないことです。生きているナメクジは寄生虫が移る可能性は低いのですが、死骸は体液とともに寄生虫が出てくるので絶対に触ってはいけません。
また、生野菜を食べる時はナメクジがついていないかよく確認して、しっかり洗いましょう。
もし、ナメクジを餌としているカエルやトカゲの肉などを食べる機会があったら、絶対に生食では食べないようにしましょう。
口から入って感染することが一番多いのでナメクジが付いていたものはしっかり洗い、生で食べないようにしましょう。
ナメクジの駆除方法
簡単な方法として熱湯をかける、箸でつまんで捨てるなどです。
ナメクジの駆除方法で一番に思いつくのが、塩をかけることですが塩ではナメクジは即死しません。
塩をかけるとナメクジは水分が浸透圧の為ぬけて干からびるだけです。当然干からびたままだといつか死んでしまいますが水分があれば復活します。
ナメクジ退治のための製品や薬剤などがありますのでご紹介していきます。
薬剤の使用を避けたい場所は捕獲タイプの製品があります。
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菜園やベランダ、玄関などには薬剤入りのこちらをどうぞ。
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ナメクジを見つけた時、すぐ退治できます。そして忌避のためにも使えます。
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まとめ
・ナメクジに毒性や病原菌などはないが、寄生虫の宿主になると人に害がある。
・広東住血線虫症の予防はナメクジを触らない。捕食生物の生食は避ける。
・ナメクジは雌雄同体の生き物で1匹でも繁殖できる。
・ナメクジは塩では即死しない。復活する可能性大。
ナメクジは気持ち悪いというだけでなく、寄生虫の宿主になることで要注意の害虫です。日本では沖縄など温かい地域で広東住血線虫症が多いですが、別の地域でもみられるので気をつけていきましょう。