元迷惑系YouTuberとして知られるへずまりゅうが奈良市議選で当選し、各所で驚きの声が広がっています。
過去の炎上歴や逮捕歴を持つ人物がなぜ政治の舞台に立ち、なぜ有権者に選ばれたのか。
へずまりゅうの当選には、SNS時代ならではの理由や、地元での地道な活動が大きく関わっていました。
この記事では、
・へずまりゅうが出馬を決意した理由
・なぜ市民が当選を支持したのか
・フォロワー80万人の影響力と政策内容
・今後の政治活動への期待と課題
といった視点から、へずまりゅうの当選理由を多角的に読み解いていきます。
炎上キャラから政治家へ。
彼の変化の背景を追います。
1. へずまりゅう当選はなぜ?その理由とは?
引用元:選挙ドットコム
1-1. 元迷惑系YouTuberが奈良市議に!?
え、あのへずまりゅうが!?
選挙速報が流れたとき、そんな声があちこちで飛び交ったんです。
なんと、元“迷惑系YouTuber”として名を馳せたへずまりゅうこと原田将大さんが、2025年7月の奈良市議会議員選挙で初当選を果たしました。
しかも、得票数は8,200票。
そもそも彼、かつてはスーパーで魚の切り身を食べたり、店舗に突撃して問題を起こしたりと、社会問題にもなった人物ですよ。
そんな彼が、地道な地域活動を重ね、まさかの議席を獲得するなんて――まるで映画みたいな展開ですよね。
地元・奈良市民の間でも「正直、票を入れるか迷った」「本気で鹿を守ってたから入れた」と賛否入り混じる声が多数。
特に奈良公園での“鹿パトロール”活動が知れ渡っていたことも、大きな印象につながったようです。
1-2. SNSを中心に広がった驚きと賛否
SNSもお祭り状態でしたよね。
X(旧Twitter)やTikTok、Instagramなどでは、
「本当に当選しちゃった」
「炎上から更生とか、ドラマかよ」
といったツイートが一気に拡散。
中には、
「票入れた自分が一番驚いてる」
と自白(?)する投稿まで飛び出してました。
彼はフォロワー数約80万人という、地方政治界では圧倒的な“発信力”を持っています。
その力を活かして、政策だけでなく自分の思いを直接市民に届け続けてきたんですよね。
ただし、反対意見も少なくありません。
「過去の迷惑行為を忘れていいのか?」
「市政を任せて大丈夫?」
という声も当然ながらありました。
特に年配層の中には、
「話題性で票を取るなんて…」
と困惑を隠せない方も。
それでも、彼が1年間続けた奈良での活動を「誠実さの証」と受け取った人々の支持が、結果につながったんでしょう。
1-3. 「まさか当選するとは…」世間のリアルな反応
実際の市民の声を拾ってみると、その驚きはリアルです。
こんな風に、思いの外“温かい”コメントも目立ちました。
もちろん「ふざけすぎ」と批判する声もありましたが、ある意味、“議論を生む候補者”であったことが、彼を勝たせたのかもしれません。
2. へずまりゅうって何者?過去の迷惑行為まとめ
引用元:週刊女性PRIME
2-1. 魚の切り身事件や突撃動画の数々
「スーパーで魚を会計前に食べる男」と聞けば、ああ、と思い出す人も多いのでは?
へずまりゅうさんの代表的な迷惑行為、それが2020年に起きた“魚の切り身窃盗事件”です。
愛知県岡崎市のスーパーで、商品を食べながら歩く動画を撮影。
これが全国ニュースになりました。
他にも、ブランド店で「偽物だろ!」と詰め寄ったり、有名YouTuberに無許可で突撃したり。
彼の動画がバズるたび、世間の眉間にシワが寄っていました。
2-2. 逮捕は6回、有罪判決も経験
彼の「やらかし履歴」は伊達じゃありません。
実際に逮捕された回数は6回にのぼり、2021年には「懲役1年6か月、執行猶予4年」の有罪判決も受けています。
迷惑系YouTuberとして活動していた頃の彼は、まさに“炎上の塊”。
警察や店舗からの通報が絶えず、アカウントBANを繰り返しながらも「話題になればOK」と突き進んでいました。
2-3. スポーツエリートから転落した人生
引用元:https://www.j-cast.com
✅ へずまりゅうのプロフィール【最新・経歴入り】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | 原田 将大(はらだ しょうた) |
| 活動名 | へずまりゅう |
| 生年月日 | 1991年5月9日(34歳・2025年現在) |
| 出身地 | 山口県防府市 |
| 学歴 | 周南公立大学 経済学部 経営戦略学科 卒(旧・徳山大学) |
| 高校 | 山口県立鴻城高校(スポーツ推薦で入学、後にレスリングに転向) |
| 中学・小学校 | 防府市立佐波中学校、防府市立佐波小学校 |
| 資格 | 危険物取扱者乙種第4類、ボイラー技士2級、クレーンデリック運転士など多数 |
| 職歴 | 東証プライム上場企業を含む4社に勤務経験あり |
| 政治経歴 | 2025年 奈良市議会議員選挙で初当選 |
| SNS発信力 | 総フォロワー数 約80万人(YouTube・X・Instagramなど合算) |
◆ スポーツ推薦で進んだ道と挫折
しかし途中からレスリングに転向し、インターハイ出場を果たします。
オリンピックを目指していましたが、肩の怪我により断念しています。
◆ 学歴と資格のギャップ
大学では経済学部経営戦略学科に所属し、現役で4年で卒業。
その後は東証プライム上場企業を含む4社で勤務経験があるものの、過去の炎上歴なども影響して正社員の採用面接で100社近く落選したとXに投稿しています。
一方で、「危険物取扱者乙4」「ボイラー技士2級」「クレーンデリック運転士(限定なし)」「酸素・硫化水素危険作業主任者」など現場系の資格を多数所持しており、実務力の高さもうかがえます。
この投稿がSNSで話題になり、「字が意外と綺麗」「資格エグすぎる」と驚かれたことで、かつての迷惑系という印象に“努力の人”としての側面も加わるきっかけになりました。
◆ 政治の道へ
迷惑系YouTuberとして全国的に話題になった彼ですが、その後はSNS発信力を活かしながら奈良での鹿パトロールや地域活動を1年継続し、2025年奈良市議会議員選挙で初当選。
炎上キャラから地域密着型の“行動派”へと転身を遂げた点は、まさに異色の政治家として注目を集めています。
3. へずまりゅうはなぜ出馬?始まりは鹿
引用元:https://nishispo.nishinippon.co.jp
3-1. きっかけは鹿を蹴る動画だった
あの日、ネットに投稿されたたった1本の動画が、すべての始まりでした。
2024年夏、奈良公園で観光客とみられる外国人が鹿を蹴っている映像が拡散。
そのショッキングな光景に、真っ先に怒りの声を上げたのがへずまりゅうさんだったんです。
もともと動物好きで知られていた彼は、その動画を見た瞬間「許せない。自分が守らなきゃ」と行動を決意。
過去に“迷惑系”として世間に嫌われた彼が、奈良の鹿のために立ち上がる――これだけでも十分インパクトのある話なんですが、驚くのはここから。
なんと彼、当時は奈良県民ですらなかったのに、すぐに東京から奈良へ向かい、現場で鹿の安全を見守る活動を始めたんです。
しかもそれが1日や2日では終わらず、本格的なパトロールへと発展していくんですよ。
3-2. 奈良に移住し、朝から夕方までパトロール
そこから毎日、朝の8時から夕方17時まで、ほぼフルタイムで“鹿パトロール”を始めました。
活動内容はというと、鹿に近づく観光客を注意したり、暴力をふるう場面があれば撮影したり。
外国語対応のポスターを配ったこともあったそうで、現場で本気の行動を積み重ねていました。
誰かに頼まれたわけじゃない。
組織の後ろ盾もない。
「鹿を守りたい」という思いだけで、朝から晩まで現場に立ち続けたへずまりゅうさんの姿は、やがて地元住民の間でも認知されていきました。
どこかの団体に所属するでもなく、議員を名乗る前から“鹿のために汗をかいてる人”。
そんな印象が静かに、でも確実に、周囲に浸透していったんです。
3-3. “鹿の味方”として信頼を得ていった背景
「また目立ちたいだけじゃないの?」
最初はそう疑っていた人もいたようですが、1週間、1か月、そして1年と続くうちに、見る目は変わっていきました。
「今朝もへずまくんがパトロールしてたよ」
「この前、鹿にイタズラしてた人をちゃんと注意してた」
そんな口コミが地元で広がり、気づけば“鹿の味方=へずまりゅう”というイメージが定着。
政治家になる前に、地元で行動による信頼を積み上げていたわけです。
さらに彼は、奈良県が独断で進めようとしていたK-POPイベント予算2.7億円のうち2.4億円を削減に追い込むという実績まで残します。
そんな気持ちが、有権者の中に自然と芽生えたのかもしれません。
4. へずまりゅうが当選できた3つの理由とは?
4-1. SNSフォロワー80万人の影響力
へずまりゅうさんの最大の武器、それはSNS発信力です。
地方選挙において、この数字は圧倒的。
選挙の告知や政策の説明もすべて自分で発信。
しかも、ただ投稿するだけじゃないんです。
そんな“直タッチ”型のやりとりが若者層の心をグッとつかんだようです。
従来の「演説」「ポスター」ではなく、リアルタイムで共感と対話を生む彼のやり方は、まさにSNS時代の選挙戦の象徴ともいえる存在でした。
4-2. 分かりやすく生活に直結した公約
引用元:選挙ドットコム
掲げた公約もかなりストレートでした。
へずまりゅうが掲げた主な公約はこちらです:
| 公約テーマ | 重点ポイント | 具体的な取り組み内容 |
|---|---|---|
| 奈良公園の鹿を守る | 動物保護 × 観光マナー対策 | ・観光客による暴力行為を監視・注意 ・鹿パトロールを日常的に実施 |
| 外国人問題に対応 | 地域の安全 × 観光トラブル対策 | ・治安悪化への対策を強化 ・観光客とのトラブルに現場で対応 |
| ごみ箱の設置 | 街の美化 × 環境整備 | ・観光地のごみ散乱を改善 ・誰もが使いやすいインフラ整備 |
| 防犯カメラの設置 | 防犯 × 子ども・高齢者の安心感 | ・街頭や公園に監視カメラを設置 ・犯罪抑止と安心できる街づくり |
| メガソーラー建設反対 | 自然保護 × 住環境の安全 | ・景観・水源地への影響を防止 ・無計画な開発から地域資源を守る |
| 給食費の無償化 | 子育て支援 × 教育環境の向上 | ・家庭の経済的負担を軽減 ・すべての子どもに温かく栄養ある食事を提供 |
一つひとつが生活に直結していて、地域住民にもわかりやすい公約内容になっているのが特徴です。
政治用語や抽象的な理念ではなく、「それって自分たちの生活の話だよね」と思える現実的な訴えが並びます。
特に防犯カメラ設置やごみ問題などは、日々の不満と直結していた分、「やってほしい」と思った人も多かったようです。
さらに「DMくれたら会いに行く政治家になります」と明言。
“市民との距離ゼロ”という新しいスタイルを打ち出し、選挙活動そのものがユニークなムーブメントに。
4-3. 39人中当選の枠と知名度の相乗効果
今回の選挙、定数は39人。
これ、けっこう多いんです。
候補者は55人いましたが、「39人も受かるなら1人くらい話題性のある人いてもいいか」と思わせるだけの“枠の余裕”があったのは事実。
実際、SNSでは「ふざけ半分で入れた」「友達ノリで投票した」みたいな声も見かけました。
ただ、これは裏返せば、知名度がある人間が有利になる土壌でもあるということ。
そこに彼のSNS発信力と地道な活動が乗っかって、見事に当選ラインを超えたわけです。
5. へずまりゅうを支持したのはどんな人たち?
5-1. 若者・ネットユーザーからの共感
YouTubeやX(旧Twitter)で彼を“ネタ枠”として見ていた人たちが、「行動してるじゃん」と思い始めた瞬間から空気が変わっていきました。
特に20〜30代を中心としたネット世代は、選挙や政治に対して“難しい”“遠い”と感じることが多い中で、彼のようにDMで話せる、現場にすぐ来てくれる候補者の存在は身近に映ったようです。
「迷惑系から更生?おもしろそう」「言ってることは正しい」といった声もあれば、「既存の政治家よりフットワーク軽い」といったリアルな支持理由もありました。
なにより、フォロワー80万人という“発信力”を持ち、動画・投稿で選挙活動を展開した彼のやり方は、ネット文化と相性抜群。
若者層が最も触れているメディアで、彼は自分の魅力を正しく届けることに成功していたんです。
5-2. 地元住民が評価した「行動力」
へずまりゅうさんは、毎朝8時から夕方まで奈良公園でパトロールを続けていました。
雨の日も、観光客が多い休日も、誰かに頼まれたわけじゃなく、黙々と鹿を守る活動をしていたんです。
この「見かけたよ」「ちゃんとやってるんだね」の積み重ねが、やがて地元のおじちゃん・おばちゃんたちの信頼へとつながっていきます。
「口だけじゃなくて体も動いてる」
「うるさいけど、やることはやってる」
こうしたリアルな声は、彼が掲げた「防犯カメラの設置」や「ごみ箱の増設」といった生活密着型の公約ともリンクして、「言ってるだけじゃない」と感じさせたんですね。
SNSや過去の迷惑行為だけで語られてしまいがちな彼ですが、地元でコツコツと顔を出し、汗をかいていた姿を見ていた人たちは、その行動力にしっかりと票を投じていたんです。
5-3. 「やり直し」を支持する市民の心理
そしてもうひとつ、見逃せないのが“リスタートを応援したい”という人たちの存在です。
社会的に失敗した人、転落した人が、もう一度立ち上がろうとしている姿に、人は案外、心を動かされるものなんですよね。
へずまりゅうさんの過去の炎上や逮捕歴は、確かに褒められるものではありません。
ですが、それを隠さずに「更生したい」「地域のために動きたい」と公言し、実際に1年もの間、活動し続けたという“実績”が、同情ではなく“信頼”を呼び込んだとも言えます。
「一度やらかした人間が何してもダメ」という風潮に対して、「いや、変わったなら応援したい」と感じた市民も少なくなかったはず。
へずまりゅうさんの当選は、ある意味で“失敗を許す文化”を地元が示した象徴ともいえるかもしれません。
6. へずまりゅうの当選が示す“新しい政治”とは?
6-1. インフルエンサー政治家の可能性
「SNSで人気がある人が政治に出る」――この動き、実は世界的にも進んでいます。
でも、へずまりゅうさんの場合、ただの“有名人枠”じゃないのがポイント。
彼は自分の発信力を、しっかりと地元課題にリンクさせて活用していました。
「K-POPイベントの予算2.4億円削減」もそう。
「有名人だから票が取れた」というよりも、“発信力で政治に圧力をかけられる人”という、新しいタイプの政治家の登場とも言えるでしょう。
彼のように、フォロワーとの距離が近く、リアルに動けるインフルエンサーが政治の場で力を持ち始める。
これは今後、地方選挙の風景を大きく変えていくかもしれません。
6-2. 知名度×行動力=新しい当選モデル?
これまでの地方選挙といえば、「後援会」「地縁」「挨拶回り」「タスキ姿」。
ですが、へずまりゅうさんはその真逆を行きました。
支援団体も政党のバックアップもナシ。
代わりにあったのは、自分の身体と、フォロワーと、毎日の活動だけ。
これはまさに、“知名度だけではなく、行動力があるインフルエンサー”が持つリアルなパワーの証明でした。
この「スピード」と「実感のある情報発信」は、選挙の新しいスタイルとして、他の候補者にも影響を与えそうです。
6-3. 炎上キャラから政治家へ、今後の注目点
もちろん、「当選したらそれでOK」ではありません。
へずまりゅうさんは今、議員として本格的な活動の第一歩を踏み出したばかりです。
掲げた公約――外国人問題、鹿の保護、給食費の無償化、メガソーラー建設反対など――これらをどこまで実行に移せるのか。
そこが、真の意味で「政治家として認められるか」の分かれ道になります。
一方で、彼の当選によって「炎上→知名度→当選」という流れができてしまったことに警戒する声もあります。
この動きが“まねごと”として拡がってしまうと、地方政治の信頼性を損なう危険もあるわけです。
ただ、それでも今回の選挙結果は、「行動する人にはチャンスがある」という希望でもあります。
炎上キャラだった彼が、どこまで“本物の政治家”になれるのか。
ここからの一挙手一投足が、今後ますます注目を集めることになるでしょう。




